「事業をやめようと思ったけど、何から手をつければいいのかわからない…」 そんな方に向けて、この記事では個人事業主が廃業する際に必要な手続きと準備すべき書類、確定申告や税務面の注意点まで、わかりやすく丁寧に解説していきます。
手続き自体はシンプルですが、提出期限や書類の内容を間違えると、後で税務署から問い合わせが来ることもあります。
スムーズに事業を終えるために、ぜひこの記事を参考にしてください。
廃業する前に知っておきたい基本知識
廃業とは何か?届け出が必要な理由
個人事業主が事業を終了することを「廃業」と呼びます。ただ単に仕事を辞めるだけではなく、税務署に届け出を行うことで正式な廃業となります。
廃業届を提出しないままにしておくと、税務署では「まだ事業を続けている」と見なされ、翌年以降も確定申告の提出を求められる場合があります。
開業届を出していない場合でも必要?
副業などで事業をしていた場合、開業届を出していない人もいるかもしれません。
その場合でも、青色申告をしていたり、税務署に事業として申告していた場合は廃業届を提出した方が安全です。
廃業のベストなタイミングとは
年度末(12月31日)や確定申告直後(3月ごろ)が一般的には手続きしやすい時期です。
ただし、廃業のタイミングに法的な制限はありませんので、収入が途絶えた段階で速やかに手続きするのがおすすめです。

廃業届を出しておかないと、後から「なぜ確定申告しないのか」といった通知が来ることがありますので、忘れずに届け出ましょう。


えっ、辞めただけじゃダメなんだね。ちゃんと「やめました!」って申告しなきゃいけないんだ〜!
個人事業主の廃業に必要な手続き一覧
個人事業の廃業等届出書の提出 税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
廃業日から1か月以内が原則の提出期限です。
提出先は事業所の所在地を管轄する税務署で、窓口・郵送・e-Taxによるオンライン提出が可能です。
所得税の青色申告取りやめの届け出
青色申告をしていた場合は、「青色申告の取りやめ届出書」の提出が必要です。
これを提出しないと、翌年も青色申告者として扱われる場合があります。
消費税の廃業届出書
消費税の課税事業者であった場合、「事業廃止届出書」も必要です。インボイス登録事業者であれば、「適格請求書発行事業者の登録取消し申請書」も併せて提出します。








青色申告や消費税関係の届け出も忘れずに。税務署に確認しながら進めるのが安全です。


けっこういろいろあるんだね。書類ってどこで手に入るの?








国税庁のホームページからダウンロードできますよ。
廃業時に提出すべき書類まとめ
以下が代表的な書類一覧です。
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 所得税の青色申告の取りやめ届出書(青色申告者のみ)
- 消費税の事業廃止届出書(課税事業者のみ)
- 適格請求書発行事業者の登録取消し申請書(インボイス登録者)
これらの書類は国税庁のサイトや税務署の窓口で取得できます。








漏れなく届け出ておくことで、後のトラブルを避けられますよ。


よしっ、チェックリストつくっておこうっと!
廃業後にも必要な確定申告とは?
廃業した年の所得に対しては、翌年に確定申告が必要です。
たとえ事業をすでに辞めていても、その年の収入に関して税金の申告義務があります。
青色申告をしていた場合は、貸借対照表と損益計算書を含む「青色申告決算書」も作成して提出します。
赤字がある場合、損失の繰越控除も忘れずに確認しておきましょう。








確定申告は廃業しても1回は必要になります。必要書類は廃業前に準備しておくと楽ですよ。


やっぱり最後まで帳簿ちゃんとつけとくべきだね〜!
青色申告している人が注意すべきポイント
青色申告特別控除は、記帳レベルやe-Taxの利用有無で控除額が異なります。廃業年も条件を満たせば最大65万円の控除を受けられます。
また、青色専従者給与を支払っていた場合は、適正な金額で支払われていたか確認し、適切に申告書に記載します。
帳簿や関連書類の保存義務も、廃業後7年間(簡易帳簿のみの場合は5年間)残るため、自宅などに保管しておく必要があります。








控除や届出の要件をきちんと確認しておきましょう。青色のメリットを無駄にしないように。


帳簿って捨てちゃダメなんだ…片付ける時に気をつけなきゃね!
廃業後の税金と保険の扱い
事業を辞めても、その年の収入に対する住民税や国民健康保険料などは翌年に請求されます。
特に住民税や国民健康保険は前年の所得を元に計算されるため、「廃業したのに高い税金がくる!」と驚くケースもあります。
また、雇用保険に加入していた人は、条件によって失業給付の対象になる場合もあります(一般的には個人事業主は対象外ですが、例外もあり)。








収入がなくなっても税や保険は発生しますから、計画的に資金を確保しておくことが重要です。


えーっ、ゼロ収入でも税金くるの?こわ…ちゃんと準備しとこ!
まとめ:事前に準備してスムーズに廃業しよう
個人事業主の廃業は、いくつかの書類を提出し、確定申告をしっかり行えば、比較的スムーズに進めることができます。
とはいえ、提出期限や税務の処理を誤ると、後々余計な手間がかかってしまいます。
廃業を考え始めた時点で、税務署や専門家に相談しながら計画的に進めることが大切です。
この記事を参考に、余裕を持ったスムーズな廃業手続きを進めていきましょう。